この3月に発表された「地価公示」は、かつてないような動向が示さてています。たとえば、大阪、梅田などの「北」が商業の中心で、地価上昇の牽引役でしたが、今年は「南」が目立ちました。なにか大きな変化が起こったのです。
そして、北海道のリゾート地の上昇も、注目されました。
京都の地価上昇も、新景観政策の実施というローカルな視点ではなく、アベノミクス、インバウンドの広く、グローバルな変化の一つとして、紹介されているのです。

この2年ほど、マンション用地は急上昇しました。烏丸通や御池通が坪@700万、800万になり、「バブル」を思わせるレベルとなっています。これらの地価上昇は、野村不動産などの東京系の大手不動産業者、京阪などの電鉄系不動産会社が主導してきました。
新築マンション価格は、坪@400万、500万、これはもう、バブルを超える水準です。
買い手が少なくなり、さすがの強気のところ、地価上昇が一服状態でした。市況は「一息」の様相です。

業界では、京都の不動産は「三極化」が生まれていると分析しています。
ひとつは、アベノミクスの影響を全く受けない、人口減少、デフレ構造のもと、地価が低迷、下落している郊外エリア。
もう一つは、「田の字」などのの都心、岡崎、御所などブランド地、地価が急上昇しているエリア。
この二極化は、従来、地価動向分析の基本的視点でした。
これに加えて、京都では「国際的な市場」として通用するエリアが生まれたこと、ハワイ、香港、シンガポールなどの動向に影響を受ける事になり、国内的要因では説明しがたい価格水準になってくるです。
インバウンドが、京都を世界市場につなげたのです。この変化は大きいと思います。

さて、インバウンドは怒涛の勢いです。民泊も、儲かるのでもう誰も止める事はできません。
京都の地価動向は全く新しい段階に歩みだそうとしています。

この2年ほどの、都心部の地価上昇はいかにも早いテンポでしたが、この春のシーズンを終えた感想は、「市況は一息」の気分です。
当社のデータでは、3000万以上の中古マンションの平均坪@単価は、中京区で248万、下京区が249万、上京区は265万となっています。
もう上がりきった水準だと思われますね。高くても購入意欲を刺激する、住んでみて満足度の高い物件はともかく、価格調整の局面に入ったもようです。
この価格調整はしかし、値崩れのような局面は招かないように見られています。いわゆる「業者在庫」が殆ど無いからです。一部には、上がりすぎたので、値下がりも、との見方があります。私は、売りそぎと値下げの悪循環、「バブル崩壊」のような現象は起こらないと考えています。

さて、京都における長期的な不動産動向はどうでしょうか。
地価変動は、主に需給関係で、次に景気変動などの構造的な変化、そして、不動産特有の政策的影響と大きく3つあります。

京都の中古マンション価格は、2007年9月の新景観政策実施以降、しだいに「売り手市場」に移行してきました。価格はゆっくりとしたテンポながら、上昇傾向にあります。ブログの読者の方はおわかりいただけたでしょう。
新築マンションもこの3ほど、上昇傾向が顕著です。これは政策的要因が新規供給を減少させ、長期の需給関係に影響をもたらしているのですね。
価格上昇は、マンションに限られていました。

ところが、このような「品薄、先高感」のある市況に、「アベノミクス」が大変化をもたらしたのです。
先駆けは「民泊、ゲストハウスブーム」でした。当初、ワンルームマンションや路地奥の町家が購入対象でしたが、最近は、ホテルが用地取得に熱心です。

地価上昇の新たな主役の登場です。長期的な予測に大きな影響があります。しかも、劇的変化をもたらすような。
詳しくは、次の機会にお話敷いたします。
 
不動産市場はこれまで長い間、低迷し、また値下がりが止まらないエリアとの二極化も指摘されてきたところです。
ところで、京都は、二極化が終わって、三極化の段階に移行しつつあるようです。
京都の場合の三極化とは、都心の人気エリア、郊外の長期低迷エリア、そして、もう一つは、インターナショナルなエリアです。
インターナショナルな市場への組み込みが、この数年の京都における不動産市場の特色です。「田の字」エリア、鴨川沿い、岡崎、御所周辺の新築マンション価格は高騰しており、なお上昇する勢いです。
①東洞院通六角下ルの野村不動産の新築物件は、広告なしで、見込み客だけに営業し坪@400万台で完売したもようです。「田の字」のど真ん中、上階は眺望が確保されて、人気を集めました。
②烏丸通御池上がるのダイワハウスの物件は、これからの販売ですが、上階は坪@700万と言われています。地下鉄烏丸線、東西線がクロスする「烏丸御池」駅最寄りの好立地です。
③御所の東、鴨川に面する三菱地所の物件は、総額7億の最上階が売れたそうです。新聞が大きく取り上げ、話題になりました。
このような価格は、京都の不動産価格体系からは飛躍したレベルで、到底理解しがたい様相ですね。ハワイとかシンガポール、香港では、坪@400万とか物件がごく普通のようです。インターナショナルな価格体系に組み込み可能な極めて特徴のある物件は、京都の市場としては、全く新しい価格水準と見るべきでしょう。
私は、昨年11月、朝日テレビのニュース番組に出演して、京都の億ション市場について、コメントしておりますが、そのおり、お話させていただきました通り、京都中心部の地価、マンション価格の上昇は加速する様相です。
京都では、昨年からおよそ10%ほど在庫が減少しています。在庫(売り物件)が減少するのは、よく売れるからです。市内中心部では本当に売り物がなくなりました。在庫の減少も価格上昇の要因ですが、この話は、都心の地価動向、ホテル用地の加熱とともに、次回、詳しく説明することにします。
                 2015.12.22
                     不動産コンサルタント
                        天野博

介護の思い違い

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過干渉はやめようとお話ししましたが、それでは「説教」「訓示」の類にとどまり、なんの参考にもならないでしょう。
老化とは機能低下ですね。
母の場合、おしっこをしたくなること、トイレにいくこと、すわること、これらがすべて、バラバラなのです。これらを統合、司令する機能が低下して、起こることです。
たとえば、ベッドから起きるように促し、本人の動きを誘い出して抱き上げていくのです。引き起こすのは、力が入りますし、本人には強制となりますから、嫌がられます。起きるのをいやがってしまい、また寝てしまいます。
そこで、本人の動きを促しながら、その動きを助ける、支えるようにすれば、本人も介護する方も楽になります。体力も使わなくてすみます。
そういえば、相手の動きを助ける、支える、は、人間関係調整の基本ですね。
ちょっと、腕を引っ張ると、母は突然、不機嫌になります。愛情を持ってるかどうか、味方かどうか、判断しないで、短期的、衝動的に反応します。
こういうことも、ふつうの人間関係でも、起こりがちなことですね。よくわかっていなかったようです。
私は今、68歳、母の介護であらたな修行です。良い機会を与えていただき、母に感謝しています。
                                 2015.11.15
                                    天野博

私は,92歳の母を自宅介護しています。デイサービスを5日利用して、水曜日と日曜日は、他人に任さないで出来る限り、話し相手になって、暮らしています。
先日、タクシードライバーとのよもやま話しで、母の介護で大変だと説明したら、ドライバーは、一人になった母親を元気なうちに同居しようと引き取ったが、ぼけてしまって、と。
そこで、「いろいろ言ったんでしょ、ご飯、おいしいでしょ、どうして食べないの」とかと。
私の母は、何をするにも時間がかかるようになって、晩ごはんも中断し、しばらくしてからまた食べ始めるのですよ、と話して聞かせました。
介護の気持ちが強くなって、過干渉になると、ぼけてしまうものです。子供と同じで、過干渉は、良い結果をもたらしません。
年寄りは、もう元気な時代の母親ではありませんから、考えるテンポが遅くなっています。ですから、こちらも、ゆっくり、あせらずに、同じスピードで考えるようにしましょう。
ドライバーは、そうだったのですね、反省しきりでした。
介護は、自分の思考方法をかえることが、求められれています。張り切りすぎて、どうしてこの愛情がわかってもらえないのかと、押し付けても、長続きせず、介護を放棄することになりがちです。
あいてが子供だと思って、深い愛情を注ぎましょう、かならず通じるものです。
                                 2015.11.15
                                   天野博
今、「地価、マンション価格の見通し」について、よく尋ねられます。
あまりにも早いテンポで、地価やマンション価格が上昇したので、かつての「バブル崩壊」のようなことが再現されるのではないかと、関係者の間では危惧されているのです。
たしかに、今回の上昇は早くて、都心の地価や新築マンション価格は、かつてのバブルを超えています。
市場関係者が不安を抱くのは当然です。
しかし、今回のバブルは、いわゆる「流通在庫」がほとんどないこと、「金融引き締め」がないことから、急落は考えにくい状況です。
バブル崩壊はなく、地価水準の維持、が一番想定されるシナリオです。
市場内部で、行き過ぎた価格が調整されるのでないかと思われます。
                              2015.11.12
                                 天野博

<マンション管理の本を書きました>

「マンション管理評価読本----価値をあげる管理の常識」(学芸出版)のなかで、私は「中古マンションの価格は下がらない」というテーマで分担執筆をいたしました。マンション購入や現在お住まいのマンション管理組合運営にかならずお役に立つことでしょう。ぜひ、ご購読してください。管理評価の事業内容は「京都マンション管理評価機構」のHPをお訪ねください。この管理評価機構が運営するマンションデータバンクを見れば、管理がよいマンションを一覧できます。

私はこの本の中で、築年数が20年、30年になれば、すっかり評価が定着し、値下げのリスクが少なくなることを資料で証明しております。マンション購入に当たって、築年数にこだわらず、物件探しをするようおすすめいたします。きっとお値打ちのマンションを探すことが出来るでしょう。「京都マンション情報」のHP、毎月発行している「情報誌」、そしてこの本をご活用ください。

                2012年2月4日

                   不動産コンサルタント

                      天野博

2012年の予測

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<2012年の動向を予測します。>

消費税など増税が具体化され、投資、実需を問わず、不動産市場に資金が流入するものと予測されます。株式や債券市場からも不動産市場に資金が移動しているようです。

住宅を中心とする不動産市場は税制や景気政策の影響をうけやすい特徴があります。減税効果が大きいマンションのファミリータイプには増税前の「駆け込み心理」が働き、動きが活発化するでしょう。

さて、都心の収益力のあるマンションは、家賃が下がりにくいので、投資家が注目しています。デフレに強いのです。さらに都心立地のマンションは価格上昇の流れになりやすいので、インフレにも強いという性格があります。このように、デフレにもインフレにも強いという要素を充たすマンションがねらい目でしょう。

今後、日本経済は長期的には、縮小傾向をたどると見られていますので、不動産も十分選別して購入しなければなりません。

                2012年2月4日

                   不動産コンサルタント

                      天野博

この6月21日、不動産経済研究所が主催し、「更新料裁判」の行方と波紋について、講師をしました。

東京霞ヶ関のビルで、また大手不動産会社担当者を聴衆としていたので緊張しましたが、先に弁護士のかたの詳しい解説がありましたので、それをトレースしながら、話題を広げていきました。

私は、賃貸借や売買は市民社会で最もよく繰り返される契約ですから、この契約に国家権力(つまり、裁判所)が介入するのは避けられるべきと考え、成立した契約をひっくり返すのは裁判所も慎重だろうと予測していました。しかし、敷引き特約や更新料を無効とする判決が相次ぎ、市場ではまず、敷引き特約がすっかり姿を消しましたし、更新料もなくなりつつあります。

さる1月31日、昨年10月の京都地裁の判決を解説しながら、更新料有効の最高裁判決が期待できる状況だと予測しました。この講演が好評で、今回の東京でのセミナーとなった次第です。

さて、京都地裁は、大家の解約権が制限されているとはいえ、借家人の解約がいつでも自由にできるわけではないと鋭い問題点を提起。たとえば、2年契約を結べば、大家はその2年間の家賃収入をあてにするから、途中契約はその期待を覆すわけで、違約金や解約金の処理があってもおかしくない。そして、その金額は1ヶ月分としても許されると判示した。更新料はその違約金を含むと解釈できる、この指摘は斬新で、実務と法律との接点を解明した名判決でした。

この裁判官は、すでに最高裁が更新料訴訟のため、法廷を開くことをきめていることをわかって、その判決の方向性に影響を及ぼすような、「野心的」な見解だともいえるでしょう。

そして、この3月、最高裁が敷引き特約を有効とする判決を出して、状況は一変しました。すでに、最高裁は敷引き特約は無効との判断を行なっていましたから、関係者に衝撃を与えてたのでした。この判決はしかし、無効との判例を着実に踏襲しています。

①明確な合意があれば、契約は成立すること。とくに不合理でなければ、消費者契約法を適用できないとし、2年で家賃の2か月分ほどを差し引くのは許されると。

②もっと大きなことは、家賃に含まれているべき「通常損耗の費用」すら、特約により、賃借人に転嫁してよいこと。これは予想を超える判断であり、今後、訴訟の流れをすっかり、変えるでしょう。

最高裁は、契約社会を尊重する、リべラルな立場を堅持したたいへん、珍しい出来事と言えますね。

これは、私がこれまで、主張してきたところの、民間で一旦成立した契約をひっくり返すのはよほどの不合理がなければということが確認されたのです。

最高裁は7月、更新料について、無効かどうかではなく、有効との観点から、その定義、許容される額の、ふたつの判断を行なうことでしょう。

2011年春の市況は、東日本大震災(福島原発問題発生)の影響により、3月末以降、大変化し増した。4月末の在庫動向調査では、中京区の高額帯物件の在庫が側をつく状況となって、「売り手市場」へ劇的転換というべき市況です。

この間、京都では新景観政策による規制強化のため、新築マンションの供給が大幅に減少し、マンション流津市場も次第に「品薄感」を深めつつあったのでした。

そこに、主として東京からの需要が急増し、いっそう、品不足が広がったというわけです。下記の表は中京区の価格帯別在庫動向です。4000万以上の高額帯が一挙に売れてしまったことがお分かりただけるでしょう。

「田の字」エリアを中心とする都心部の「売り手市場」への転換はその周辺、そして、京都市の郊外エリアにもすくなくない影響を及ぼすと考えられます。

 

これから、1年ないし2年は、需給関係がタイトなまま推移するでしょう。他の行政区の在庫動向にご注目下さい。

 

マンション在庫価格帯推移(中京区)

 

2010.8

2010.9

10

11

2010.12

2011.1

2011.3

2011.4

 

ワンルーム外収益物件

40

56

63

64

64

69

65

72

 

1000万以上

19

22

20

22

18

25

25

20

 

2000万以上

18

17

20

25

22

28

30

28

 

3000万以上

17

12

14

18

18

21

17

15

 

4000万以上

9

8

10

6

6

8

7

5

 

5000万以上

2

1

4

3

3

3

2

0

 

6000万以上

7

6

6

6

4

4

3

1

 

合計

112

122

137

144

135

158

149

141